long-bodied and short-legged

行動経済学と統計学とプログラミングなど

理解できてる?ホモ・エコノミクスの5つの特徴とは

ホモ・エコノミクス(または経済人)のもつ5つの特徴について考えます。

自分自身の理解を深めるために具体的な例も書きます。

5つの特徴

  • 完全合理性
  • 完全利己性
  • 物質的・金銭的利益の重視
  • 満足最大化行動
  • 対応な自由人

誤解を恐れず、それぞれ簡単に言い換えてみます。

  • めっちゃ頭いい
  • 自分のことばっかり優先
  • お金がなにより大好き
  • 一番が大好き(選ぶ選択は最良)
  • 誰も怖くない(みんな対等)

イメージとして浮かぶのは、あんまり良い性格の人ではありません。

次はそれぞれ具体的に考えてみます。

完全合理性

完全合理性を持つ人とは下記の特徴がある。

  • 理性的であり論理や法則に適っている。
  • どんな問題でも一番良い選択ができること
  • 無知や感情的ではないこと(人はそういう場合非合理的な選択を行う)
  • 完全に自己抑制ができる。

具体的に考えてみよう。

  • ダイエットするという目標がある場合。カロリーの高いカツ丼より、わかめソバを選べる人。
  • 住宅ローンを組む際、一番低い金利のプランをもつ銀行を見つけられる人。
  • 毎日5km走るなど、目標を決めてやり遂げられる人

完全利己性

完全利己性を持つ人とは下記の特徴がある。

  • 他人が喜ぶかどうか全く考慮しない
  • 自分の利益を最優先とする。(でも敵意や羨望があるわけではない)
  • 他人が満足しているかは自分の利得に関係ない。
  • ただし、互酬性は認められる。(他人のためにすることが自分のためにもなるなら実行する)

具体的に考えると

  • みんな残業する中、自分だけ早く帰るサラリーマン
  • 椅子取りゲームなどのゲームでの勝者
  • 平日の昼間から、サラリーマンたちが立ち食う中、蕎麦屋でビールを飲む。(性格悪い)

物質的・金銭的利益の重視

物質的・金銭的利益を重視する人とはどんな人か。

  • 消費することで満足を得る
  • 資産(お金やもの)が増えると幸せを感じる

具体的に考えると。

  • ブランド品を買う人
  • 月末が給料日のサラリーマン
  • 株で儲けるトレーダー

満足最大化行動

満足を最大化する行動をとるとは?

  • 複数の選択から一番よい選択ができる。
  • 仮に選択数が無限に近い場合であっても、そのなかでの一番を見つけることができる。

具体的に考えると、

  • 価格ドットコムでランキング1位の商品を選び購入する人
  • コスパの良い商品を選ぶ人
  • 世界で一番法人税の少ない国で法人設立する人

対応な自由人

対応な自由人とは?

  • 自分の意思に反した行為を強制されることがない
  • 上下関係を利用して不当な扱いを受けることがない。
  • 他人の迷惑にならなければ何を行うのも自由。

具体的に考えようとしたら、現代では当たり前すぎて具体例が出てこないw なので補集合的な書き方で書いてみる

  • 奴隷ではない人
  • 封建制度の国の国民でない人
  • 犯罪は行なっていないが、この人ずるいなという感じの人。

果たして現代人はホモ・エコノミクス

特徴のうち、これは自分に当てはまると思うようなこともあれば、これは当てはまるとは言えないというものもある。 別の言い方で言えば、ホモ・エコノミカスらしき人は確かにいるだろうが、そうじゃない人もいるのではないかと考える。

古典的経済学では、この5つの特徴がない人は結局市場から追い出されるから、この5つを前提としてよい、と考えているらしい。 一方、それは乱暴すぎだから、加味して考えようというのが行動経済学だ。

どちらも世の中をよくするための学問なので、社会人としては学んでおいて損はなし。 頭に入れておくことで、日々の出来事の中で活用できそうな気がする。